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転職される方必見!再就職手当をもらうには?


離職や失業をした際に雇用保険からもらえる手当として、多くの人がまず思い浮かべるのは「失業手当(基本手当)」ではないでしょうか。

離職してから転職活動をする場合、

「失業保険があるからゆっくり時間をかけて自分に合う企業を探そうかな・・・」

と考える人が多いはず。

しかし、早期に再就職した場合には「再就職手当」を受け取ることができます。

「知らなかった・・・」ではもったいない!

今回は、離職後にハローワークで求職の申し込みをされている方へ向けて、

再就職手当の受給要件や金額、手続きについて紹介していきます。

転職を考えている方は是非参考にしてください!

失業手当のほかに「就業促進手当」があるって知ってた?


離職前に雇用保険の被保険者期間が12ヶ月以上あれば、失業手当(基本手当)を受け取ることができますよね。(失業手当についてはこちらのブログをチェック!→失業保険はどのくらいもらえる?給付額や受給要件を解説します!

実は、失業手当の受給資格を持つ方が受け取れる「就業促進手当」というものがあります。

就業促進手当には、「再就職手当」「就業促進定着手当」「就業手当」の3種類があります。

再就職手当

失業手当の所定給付日数を3分の1以上残して再就職し、一定の条件を満たす場合に受け取ることができます。

就業促進定着手当

再就職手当を受給した人が対象です。
再就職先で6ヶ月以上雇用され、かつ1日当たりの賃金が離職前より低い場合に支給対象となります。

就職手当

再就職手当の受給対象にならなかった場合に対して、一定の条件を満たした場合に受け取ることができます。
(1日当たりの支給上限額は1,857円、60歳以上65歳未満の場合は1,501円)
参考:https://www.mhlw.go.jp/content/000968115.pdf

今回はこの中の「再就職手当」について詳しく解説していきます!

再就職手当ってなに?

ハローワークでは、再就職手当について次のように明記しています。

再就職手当とは、雇用保険受給資格者のみなさまが基本手当の受給資格の決定を受けた後に早期に安定した職業に就き、又は事業を開始した場合に支給することにより、より早期の再就職を促進するための制度です。

引用元:雇用保険受給資格者のみなさまへ 再就職手当のご案内

再就職手当は離職後、再就職が決まると一定の条件のもと支給される手当であり、

また、早く再就職が決まるほどその額も多くなります!

「失業手当があるし、給付期間満了まで再就職はいいや・・・」

と再就職を延ばし、休職期間が長くなると転職が不利になる可能性が高くなります。

再就職へのモチベーションを上げて、できるだけ早く安定した生活を送ってもらいたい!

という意図で作られた制度のようですね!

再就職手当をもらうための条件


再就職手当は、早期に再就職ができたすべての方が対象ではありません。

再就職手当をもらうには、以下9つの要件をすべて満たす必要があります。

9つって多い・・・厳しい条件に感じてしまいますね・・・

さっそく見ていきましょう!

1. 失業手当の受給手続き後、7日間の待期期間満了後の就職であること

再就職手当は待期期間を満了した方が対象です。

待期期間とは、受給資格が決定した日から7日間、失業状態であることを証明するための期間です。

この期間内には失業手当は支給されないほか、就職が決まった場合には再就職手当を受け取ることができません。

再就職手当を受け取るためには、受給資格決定日から8日目以降に就職が決定する必要があります。

2. 就職日前日までの基本手当の支給残日数が、所定給付日数の3分の1以上であること

失業手当の支給日数が就職日までの前日までに、3分の1以上残っている必要があります。

3. 離職前の事業主に再び雇用されたものでないこと(資本・資金・人事・取引面で密接な関わりのある事業主も含む)

再就職手当を目的とした退職や就職を防ぐため、離職した企業や関連企業へ就職した場合は再就職手当を受け取ることができません。

たまたま関連企業であった場合も同様に対象外となります。

4. 自己都合による離職で原則2ヶ月の給付制限がある場合、待期期間満了後の1ヶ月の期間内はハローワークまたは職業紹介事業者の紹介によって就職したものであること

給付制限とは失業手当がもらえない期間のことで、離職理由が自己都合による退職などの場合に設けられます。

解雇や倒産などの企業都合での離職の場合は、給付制限はありません。

給付制限は2ヶ月あり、そのうち最初の1ヶ月はハローワークや人材紹介企業からの紹介で就職した場合のみ再就職手当の対象となります。

給付制限2ヶ月目以降は、知人からの紹介や求人広告への応募による就職も対象になります。

自営業などを起業する場合は、給付制限1ヶ月を過ぎた場合であれば、再就職手当の支給対象です。

5. 1年を超えて勤務することが確実であること

再就職手当制度は、安定した職業に就くことが目的のため、1年以上働き続けることが確実である就職に対して支給されます。

例えば、雇用期間が1年以下の派遣社員等の非正規社員としての採用や、雇用契約の更新に目標達成などの条件がある場合は、受給対象外です。

*非正規社員として就職した時の注意・・・派遣社員、契約社員、パート、アルバイトなどは契約期間が1年未満のことがあり、その際は条件から外れてしまいます。

しかし、「再就職手当支給申請書」の中の「1年を超えて雇用する見込み」が「有」になっていれば、この要件を満たすことになります。

再就職先には、この記載をしてもらえるか確認しておきましょう!

6. 雇用保険の被保険者になっていること

再就職先でも雇用保険の被保険者になること。
(雇用保険の加入要件についてはこちらのブログで解説しています!→令和4年10月雇用保険料率引上げ!雇用保険ってどんな制度?

一方で、個人事業主となり開業した場合は雇用保険は適用されないため、この条件を満たす必要はありません。

7. 過去3年以内の就職について、再就職手当又は常用就職支度手当の支給を受けたことがないこと

短期間による離職で繰り返し手当を受給するのを防ぐため、過去3年以内に再就職手当や常用就職支度手当を受け取っていないことが条件です。

つまり、再就職手当を一度受給するとその後3年間は受け取れません。

8. 基本手当受給資格決定(求職申し込み)前から採用が内定していた事業主に雇用されたものでないこと

受給資格決定前に内定をもらった場合は支給されません。

前述の通り、再就職手当の対象者は、失業手当の受給資格があり、3分の1以上の支給日数を残した方です。

退職時にすでに新しい就職先が見つかっている場合などは、そもそも失業手当の受給資格もないのです。

9. 再就職手当支給決定日までに退職をしないこと

再就職手当は、就職日が決まったらすぐに受け取れるわけではありません。

就職日から1ヵ月以内に手続きを行い、受給対象かどうか審査されます。

支給決定までは申請からおよそ1ヵ月のため、支給確定前に退職した場合は受け取れない可能性があります。

その代わり、残っている失業手当が支給される可能性があります。

再就職手当はいくらもらえる?

再就職手当はどのように計算するのでしょうか?

前提として、基本手当の所定支給残日数が3分の1以上であることが必要です。

残り日数の割合に合わせて計算式は次のように異なります。

基本手当の支給残日数が所定の給付日数の3分の2以上残っている場合
 支給残日数×70%×基本手当日額(一部上限あり)

基本手当の支給残日数が所定の給付日数の3分の1以上残っている場合
 支給残日数×60%×基本手当日額(一部上限あり)

 基本手当日額の上限は、6,190円(60歳以上65歳未満は5,004円)です。(毎年8月1日以降に変更されることがあります。)


つまり、就職が早ければ早いほど、再就職手当の額は高くなるということです!

実際に計算してみよう!


では、例を用いて実際にどのくらいの額になるのか、実際に計算してみましょう!

以前のブログで失業手当の計算をした例を用いて、再就職手当の計算をしてみます!

例1:Aさん
年齢:27歳
離職理由:自己都合
離職前雇用保険被保険者期間:通算1年6ヶ月
毎月の給与支給額:18万円

180,000円 × 6ヶ月 = 1,080,000円(離職前6ヶ月の給与総額)
1,080,000円 ÷ 180日 = 6,000円(賃金日額)
0.8 × 6,000 – (0.3{(6,000 – 5,030) / 7,350} × 6,000 = 4,563円(基本手当日額)
4,563円 × 90日(所定給付日数)= 410,670円 (失業手当総額)

上記Aさんが給付制限期間内に就職が決まった(所定給付日数をすべて残している)場合

90日(支給残日数)× 70% × 4,563円(基本手当日額) = 287,469円(再就職手当総額)

例2:Bさん
年齢:40歳
離職理由:会社都合(特定受給資格者)
離職前雇用保険被保険者期間:通算10年2ヶ月
毎月の給与総額:40万円

400,000円 × 6ヶ月 = 2,400,000円(離職前6ヶ月の給与総額)
2,400,000円 ÷ 180日 =13,333円(賃金日額)
0.5 × 13,333円 =6,666円(基本手当日額)
6,666円 × 240日(所定給付日数)= 1,599,840円 (失業手当総額)

上記Bさんが失業手当を30日間受給後、就職した場合

210日(支給残日数)× 70% × 6,666円(基本手当日額) = 979,902円(再就職手当総額)


実際に計算してみると、失業手当満額に比べると再就職手当のほうが少なくなってしまうことがわかりますね。

※上記はあくまでも計算例です。

再就職手当のメリット・デメリット


前述したとおり、再就職手当は就職が早ければ給付率も上がり、より多くもらえるというメリットがありました。

ですがその一方で、もらえる金額は失業手当満額より、再就職手当のほうが少なくなってしまうというデメリットもでてきましたね。

ここでは再就職手当をもらった場合のメリット・デメリットを考えてみたいと思います!

メリット

失業手当は就職日の前日まで受給できるため、早く就職すると満額もらえず損をしたと感じてしまうかもしれません。

しかし、早期就職によって再就職手当が支給されれば、もらえなかったはずの失業手当に値するお金が一括で受け取れ、生活費の足しや再就職で必要になったものの準備に活用することができます。

そもそも失業手当で受け取れる金額は、離職前の給与の50~80%ほどです。

離職前よりも確実にひと月の収入は減るため、安定した生活を送るには早期就職がおすすめです。

早く就職先を見つけることで生活費を確保する+再就職手当が受け取れるので安心できるでしょう。

再就職する時期が早ければ早いほど、給付率も高くなります。

また、仕事をする上でもブランクが少なくて済みますね!

さらに、再就職手当の受給者は、6ヵ月以上雇用された時点で条件を満たせば「就業促進定着手当」を受け取ることもできます。

デメリット

失業手当を満額もらうよりは金額が少なくなってしまう点です。

しかし、離職理由が自己都合退職などであれば2ヵ月の給付制限があり、その間いずれにせよ失業手当は支給されません。

離職3ヵ月目からの失業手当で生活することは相当な精神的プレッシャーになりますよね。

また、休職活動が長引くほど再就職が不利になったり、モチベーションの低下や不安感も強まる恐れがあるため、再就職手当を受給する!と決めて早期就職を目指す方が良いでしょう。

注意したいのは、再就職手当は失業手当の支給残日数が3分の1未満になった場合、申請できないことです。

また、支給残日数によって計算式も変わるため、できるだけ早く就職すれば再就職手当を最大限に受給することができますね!

再就職手当の申請~受給まで


では実際、どのような手順で再就職手当がもらえるのでしょうか?

再就職手当の申請から受給までを解説していきます!

再就職が決まったことをハローワークに報告

まずはハローワークに再就職が決まったことを報告します。

このときの持ち物は以下のとおりです。

・採用証明書
・雇用保険受給資格者証
・失業認定申告書
・印鑑

採用証明書は、再就職先の会社に記入してもらう必要があります。

再就職が決まったことをハローワークに報告する前に書いてもらうのがベストですが、

難しい場合には勤務開始後に受け取る可能性があることをハローワークの担当者に申し出てください。

なお、採用証明書は失業手当を受け取り始めたときにもらった「雇用保険受給資格者のしおり」の後ろのページについています。

なくしてしまった場合はハローワークで再度受け取ることができます。

再就職手当支給申請書の記入

上記書類をハローワークに提出し、再就職手当の支給要件にすべて当てはまることが確認されると、

「再就職手当支給申請書」を受け取ることができます。

ハローワークの窓口で受け取る以外に、ハローワークインターネットサービスからでも

再就職手当支給申請書のダウンロードが可能です。

再就職手当支給申請書には、自分で記入する欄と、再就職先の会社に記入してもらう欄がそれぞれ用意されています。

提出は「就職日の翌日から1ヶ月以内」と定められているため、入社後できる限り早く記入を完了させておきましょう。

再就職手当支給申請書の提出

記入が完了した再就職手当支給申請書をハローワークに持っていくことで、

再就職手当の申請が完了します。

なお、郵送・電子申請も可能です。(電子申請に関してはお近くのハローワークに手続き方法を問い合わせてみてください。)

再就職手当支給の決定・支給

再就職手当支給申請書を提出後、およそ1ヶ月後に支給可否が決定します。

支給が正式に認められれば「就業促進手当支給決定通知書」が届き、

通知書到着からおよそ1週間後に再就職手当が口座に振り込まれます。

一方で、不支給の場合には「不支給決定通知書」が届きます。

不支給理由についてはおそらく申請書の不備が理由として考えられるため、ハローワークに問い合わせてみましょう。

まとめ

  • 再就職手当は失業手当(基本手当)の受給資格を持つ方が受け取れる
  • 早く就職が決まるほど再就職手当の額も多くなることから、早期の再就職を促す制度
  • 受給するには9つの要件すべてを満たす必要があり、注意が必要
  • 派遣社員等、契約期間が1年未満の非正規社員でも、1年を超えて雇用する見込みがあれば要件を満たす
  • 早く就職先を見つけることで、再就職手当の給付率は高くなり、仕事上のブランクも少なくて済むというメリットがある
  • 失業手当を満額もらうよりはもらえる金額が少なくなってしまうというデメリットがある
  • 再就職手当の申請期限は「就職日の翌日から1ヶ月以内」

いかがでしたか?

再就職手当の金額は早く就職すればするだけ高くなります。

また、早く再就職することで、給与+再就職手当を受け取れることになるので、

失業手当をもらっているよりも収入面では安定することでしょう。

なにより自分のキャリアや生活を安定させる意味でも、仕事が早く見つかるに越したことはありません。

早く仕事を見つけて、再就職手当をご褒美と思って受け取ることをオススメします!

転職へのモチベーションを下げず、早期に再就職するには、効率的に転職活動を進める必要があります。

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