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働いている人は使わないと損?教育訓練給付金をわかりやすく解説します~教育訓練①~

2025年10月1日より、雇用保険被保険者が教育訓練を受けるために休職した場合、失業手当に相当する金額の給付を受けることができる制度「教育訓練休暇給付金」が創設されましたね!

皆さん、教育訓練給付金制度とはどんな制度かご存じでしょうか?

物価高の近年、スキルや資格を取得して昇給を目指したり転職を考えたりできたらいいなと考えている人は少なくないはず。

でも、受講費用も高いし自分には無理だな…と悩んでいませんか?

教育訓練給付金制度を使えば、国からお金の補助をもらいながらお得に学ぶことができるんです!

今回はまず、教育訓練給付金制度について、目的や対象講座、条件などをわかりやすく解説します。

教育訓練給付金制度ってなに?

教育訓練給付金制度とは、私たち労働者のスキルアップを支援するため、厚生労働大臣の指定を受けた教育訓練の講座を受講すると、その費用の一部が支給される制度です。
対象となる教育訓練はそのレベルなどに応じて3種類あり、それぞれ給付率が異なります。

教育訓練給付金の種類・対象講座・給付額

対象の教育訓練は厚生労働大臣が指定した講座のみですが、なんと約17,000講座あり、内容や専門性によって以下の3つに分類されています。

  • 一般教育訓練給付金
  • 特定一般教育訓練給付金
  • 専門実践教育訓練給付金

それぞれの特徴は以下のとおりです。

一般教育訓練給付金特定一般教育訓練給付金専門実践教育訓練給付金
種類雇用の安定・就職の促進になる基礎的な技術や知識を証明する資格国家資格が多く、速やかな再就職・早期キャリア形成になるもの中長期的に訓練が必要な専門的なもの
主な対象資格簿記・TOEIC・医療事務・WEBデザインなど税理士・社労士・FP・自動車整備士・宅建士・フォークリフトなど看護師・介護福祉士・美容師・ITエンジニア・キャリアコンサルタントなど
支給額受講費用の20%
(上限10万円)
受講費用の最大50%
(上限25万円)
受講費用の最大80%
(年間上限64万円)
支給のタイミング講座終了後講座終了後訓練受講中の6ヶ月ごと
引用:厚生労働省 ▶ 教育訓練給付金

一般的に聞いたことがあるようなスキルや資格は、ほとんどが対象になっていますね。
上記の資格を取得したいと思っている方はこの制度を利用しない手はありません!

具体的な講座は、教育訓練給付金講座検索システムで検索することができます。
オンラインで受講できる講座や、夜間・土日に受講できる講座もあり、働きながら受講することができますね!

では、それぞれの教育訓練給付金について詳しく解説していきます。

一般教育訓練

一般教育訓練は、就職やスキルアップにつながる資格など、基礎的な技術や知識を証明する資格が多くあります。

主な対象資格

  • Microsoft Office Specialist
  • CAD利用技術者試験
  • TOEIC
  • ITパスポート
  • 簿記検定試験(日商簿記)
  • 医療事務技能審査試験
  • メンタルヘルス・マネジメント検定試験  など

参考:一般教育訓練 指定講座一覧(令和7年10月1日付)

給付額

給付額は受講終了後に支給され、受講費用の20%が一時金として支給されます。
上限が10万円なので注意しましょう。

特定一般教育訓練

特定一般教育訓練は、速やかな再就職や早期キャリア形成に役立つ講座などが対象です。
対象資格には国家資格が多く、その資格を持っていなければ業務ができない「業務独占資格」や資格を取得した人だけが肩書を名乗れる「名称独占資格」など、資格を取得したらすぐに就職しやすいものが多くあります。

主な対象資格

  • 自動車第一種・第二種免許(大型・中型)
  • 玉掛け
  • フォークリフト運転技能講習
  • 税理士
  • 社会保険労務士
  • 行政書士
  • 司法書士
  • 弁理士
  • 宅地建物取引士
  • ファイナンシャルプランニング技能検定  など

参考:特定一般教育訓練 新規指定講座一覧(令和7年10月1日付)

給付額

給付額は受講終了後に2段階に分けて支給されます。

給付①
受講終了後に、受講費用の40%が一時金として支給されます。
上限が20万円なので注意しましょう。

給付②
さらに受講終了後に、講座に関連する資格を取得したり就職をした場合には、追加で受講費用の10%(上限5万円)が支給されます。

専門実践教育訓練

専門実践教育訓練は、受講開始から資格取得までの時間がかかる資格や独学では習得が難しい技術など、中長期的に技術支援が必要な専門資格が対象です。

主な対象資格

  • 第四次産業革命スキル習得講座(クラウド、IoT、AI、データサイエンスなど)
  • キャリアコンサルタント
  • 看護師
  • 助産師
  • 介護福祉士(実務要請研修含む)
  • 美容師・理容師
  • 保育士
  • 歯科衛生士
  • 社会福祉士
  • あん摩マッサージ指圧師
  • 理学療法士
  • 作業療法士  など

参考:専門実践教育訓練新規指定講座一覧(令和7年10月1日付)

給付額

給付額は受講中と受講終了後に3段階に分けて支給されます。

給付①
訓練受講中に受講費用の50%が6ヶ月ごとの分割払いで支払われます。
年間上限が40万円と定められているので、年間の受講費用が40万円を超える場合には40万円しか支給されないので注意しましょう。
なお、訓練講座が2年以上の場合には、2年目以降も毎年上限40万円が支給されるので、例えば3年の訓練講座の場合には合計120万円が支給されることになります。
専門実践教育訓練は、長時間にわたる専門的な訓練なので高額になる場合が多く、受講確認をする必要があるので、受講中の分割払いになっています。

給付②
受講終了後、条件を満たせば2回の追加給付を受けることができます。
まずは受講終了後に、以下2つの要件を満たす必要があります。

  • 講座に関連した資格を取得する
  • 講座終了後1年以内に雇用保険の被保険者として雇用される

上記の2つの要件を満たした際に、受講費用の20%(年間上限16万円)が給付されます。
なお、雇用保険の被保険者として雇用される場合は、受講時と同じ就職先でも問題ありません。
雇用保険に加入する被保険者として雇用されていることがポイントです。

給付③
さらに受講終了後に、

  • 受講終了後の賃金が受講前より5%以上上昇する

という条件を満たした場合、受講費用の10%(年間上限8万円)が追加給付されます。
したがって、すべての給付の条件を満たすと受講費用の最大80%の給付金を受給できるので、専門的なスキルや資格をお得に習得することができます!

札幌で受講できる講座

実際に札幌市で通学できる講座を調べてみたところ、96件の講座がありました!

一般教育訓練特定一般教育訓練専門実践教育訓練
件数45件5件46件
講座大型一種・大型特殊・けん引、TOEIC・日本語教師養成・CAD・税理士・社労士・行政書士・調理師・製菓衛生師、介護福祉士・ケアマネジャー・医療事務・Word+Excel・ウェディングプランナー・一級建築士・大学の修士課程 など一等無人航空機・社会福祉士・準中型免許・北海道大学地域イノベーションプロデューサー塾 などトリマー・医療事務・看護師・コンサート制作・保育士・幼稚園教諭・作業療法士・歯科衛生士・臨床検査技師、パティシエ・バリスタ・美容・ヘアメイク・ITエンジニア・Web制作 など

ほかにも、場所を選ばない通信やeラーニングで検索すると、818件ありました!
北海道からでも充分選べる講座がありそうですね!
(2025年11月時点の検索数です)

教育訓練給付金の支給条件

まず、教育訓練給付金は雇用保険制度の一つのため、この制度を利用できるのは雇用保険に加入している方に限られます。よって個人事業主やフリーランスの方は対象外となります。
また、給付の対象かどうかは、雇用保険の加入年数や、在職中か離職中、制度を利用したことがあるかどうかで異なります。
詳しくみていきましょう!

教育訓練給付金の対象者

在職中の方

  • 一般・特定教育訓練:受講開始日時点で1年以上雇用保険に加入している
  • 専門実践教育訓練:受講開始日時点で2年以上雇用保険に加入している

雇用保険に加入していれば、パートやアルバイトの方ももちろん対象です。
雇用保険加入期間は通算できるので、転職したことがある方でも前の職場から次の職場までの離職期間が1年未満であれば通算できます。

つまり、1年以内のブランクで転職を繰り返していた場合でも、雇用保険期間をすべて通算できるため、支給の対象になります。
また、教育訓練給付制度は年齢制限はないので、何歳からでも利用できます。

離職中の方

  • 一般・特定教育訓練:離職してから1年以内かつ1年以上雇用保険に加入していた
  • 専門実践教育訓練:離職してから1年以内かつ2年以上雇用保険に加入していた

離職中の方で、現在雇用保険に加入していない方でも、離職してから1年以内であれば制度を利用できます。
なお、離職してから1年を超えてしまっていても、妊娠・出産・育児・疾病・負傷などの理由により適用対象期間の延長制度(最大20年)が利用できます。

つまり、離職して1年以内に諸事情によりスキルを取得する余裕がなかった場合には、延長申請をすることにより、離職後1年以降であっても制度を利用できるようになります。
特に、退職後も療養や出産などの理由により失業手当の延長を行った方は、教育訓練の延長手続きも忘れず行うようにしましょう。

💡離職中の方への特例措置
上記で紹介した適用対象期間の延長制度のほか、専門実践教育訓練を受講する方で各種要件を満たした場合には、専門実践教育給付金に加えて、さらに追加で支援金(教育訓練支援給付金)をもらうことができます。

制度の利用が2回目以降の方

  • 前回の受講開始日以降、雇用保険加入期間が3年以上ある
  • 前回の支給日から今回の受講開始日までに3年以上経過している

3種類の訓練で別々にカウントされるわけではなく、どれか1つでも訓練を受給すると次の受講までに3年間空ける必要があるので注意しましょう。

したがって、一度でも教育訓練給付金の申請をしたことがある人は、前回の受講開始日を確認して、そこから3年後に申請をしましょう。

次のチャートをぜひ参考にしてみてください。

引用:教育訓練給付金のご案内

まとめ

教育訓練給付制度は、雇用保険制度に加入して働いている(働いていた)みなさんが活用できる制度です。
せっかく雇用保険料を支払っているからには、資格を取得したい方はこの制度を活用しない手はありませんね。

気になる教育訓練給付金の申請方法や、今回創設された「教育訓練休暇給付金」については、また別のブログで紹介します。

アシタバでは福利厚生として、派遣社員の皆様が専門知識を深め、スキルを向上させるための一環として、資格取得にかかる費用の全額または一部をアシタバが負担する資格取得支援制度を設けています。

教育訓練給付金を利用してスキルアップを図り、理想のキャリアを築いていきましょう!


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