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病気やケガで会社を休んだら『傷病手当金』を申請しよう!①支給額や条件を解説

病気やケガで療養が必要になると、入院や通院費など治療のための費用がかかるだけでなく、会社を休むことで収入がなくなってしまう場合もありますよね。

そんなときに頼りになるのが傷病手当金です。

しかし、傷病手当金は病気やケガで会社を休んだらすぐに支給されるわけではありません。

いざという時に備えて、傷病手当金の支給条件や申請方法を知っておきたいですよね。

そこで今回は、協会けんぽの傷病手当金を例にして、支給条件や支給期間、計算方法、申請方法について解説していきます!

傷病手当金ってなに?

傷病手当金とは、
病気やケガの療養のため会社を休み、収入が途絶えた時に、被保険者本人とその家族の生活を保障するために健康保険組合や協会けんぽなどから支給される給付金制度のことです。

傷病手当金の対象になるのは、協会けんぽや健康保険組合等、勤務先で健康保険に加入している会社員や公務員等です。

パートやアルバイトでも、勤務先の健康保険に加入していれば傷病手当金を申請することができます。

なお、自営業や個人事業主の方が加入する国民健康保険には、原則的に傷病手当金制度はありません。

参考:病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)|協会けんぽ

傷病手当金の支給条件

傷病手当金は、以下の4つをすべて満たしたときに支給されます。

  • 業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
  • 仕事に就くことができないこと
  • 連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
  • 休業した期間について給与の支払がないこと

それぞれの支給条件について解説していきます!

①業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること

傷病手当金を受け取れるのは、仕事を休む原因が「業務外の病気やケガである場合」です。

健康保険適用外の自費診療であっても、
業務外の傷病であり、なおかつ仕事に就くことができない療養のための休業として医師の診断等があれば、支給対象となります。

また、「療養」については入院だけでなく自宅療養を含みます。

🔵支給対象になる休業
・インフルエンザやコロナウイルス感染症のため医者から休むよう言われた
・つわりがひどく医師より就業不能と診断された
・うつ病のため仕事をせず休養と治療に専念するよう医者に言われた

✖支給対象外の休業
・病院にかかってはいないが、咳が続いていたので蔓延防止のために自己判断で休業した
・業務上や通勤中のケガによる休業(労災保険の給付対象)
・病気やケガとみなされない休業(美容整形など)

②仕事に就くことができないこと

傷病手当金は病気やケガの療養のため、就労できない場合に支給されるものです。

就労できないかどうかは、医師の意見等を基に、協会けんぽ等の健康保険組合が被保険者の業務内容や症状を考慮して総合的に判断します。

したがって、医療機関を受診せずに自分の判断で仕事を休んでいる場合には、傷病手当金は支給されません。

③連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと

傷病手当金を受け取るには、休業初日から3日間連続の休業が必要です。

連続して休業した場合、病気やケガで会社を休んだ初日から4日目が支給開始日となります。

この休業初日から3日間を「待期期間」といい、待期期間に傷病手当金は支給されません。

また、勤務時間中に業務外の事由で発生した病気やケガにより就労できない状態となった場合には、その日を休業初日として起算します。

💡待期期間に公休日は含まれる?
待期期間には有給休暇や土日祝日の公休日も含まれ、給与の支払いがあったかどうかは関係ありません!

したがって、待期期間に有給休暇を使用すれば生活の保障に充てることができますね。

3日連続の休業(待期期間)の考え方

④休業した期間について給与の支払いがないこと

傷病手当金は、休業中に収入のない(または減少した)人の生活保障を目的とした制度です。

そのため、会社を休んでいても給与が支払われていた場合は、傷病手当金は支給されません。

ただし、給与の支払いがあっても、その額が傷病手当金を下回る場合はその差額が支給されます。

傷病手当金がもらえる期間

傷病手当金の支給期間は、「支給開始日から通算して1年6ヶ月」です。

傷病手当金はいくらもらえる?

傷病手当金は、休業1日につき所定の金額が支給されます。

1日あたりの支給額の計算方法について解説していきます!

1日あたりの支給額の計算方法

傷病手当金の1日あたりの支給額は、休業前の給与(日給に換算した金額)のおおよそ3分の2です。

支給開始日以前に健康保険加入期間が12ヶ月以上ある場合は、以下の計算式で算出できます。

計算式
支給開始日以前の12ヶ月間の各標準報酬月額の平均額÷30日×2/3=1日あたりの支給金額

標準報酬月額とは、毎年4~6月の報酬を基に所定の計算方法で算出した金額で、社会保険料や将来の年金額を計算する基礎となります。
参考:標準報酬月額・標準賞与額とは?|協会けんぽ

実際に計算してみよう!

【Aさん】
支給開始日前9ヶ月は標準報酬月額19万円、それ以前の3ヶ月は18万円の場合

この場合、1日あたりの支給金額を計算する際は、標準報酬月額19万円の9ヶ月分と18万円の3ヶ月分の平均額を30日で割り、3分の2を掛けることになります。

上記の計算式にあてはめると、
(19万円×9ヶ月+18万円×3ヶ月)÷12ヶ月÷30日×2/3=4,167円
となります。

※端数処理は「30日」で割ったあとに1の位を四捨五入、「2/3」を掛けたあとに小数点第一位を四捨五入します

健康保険加入期間が12ヶ月に満たない場合はどうなる?

転職して間もないなどの理由で支給開始日以前の健康保険加入期間が12ヶ月に満たない場合、前述の計算ができません。

この場合の支給額は、以下の計算式を使って算出します。

計算式
以下の(1)または(2)の低い額÷30日×2/3=1日あたりの支給金額
(1)支給開始日が属する月以前の直近の継続した各月の標準報酬月額の平均額
(2)加入している健康保険組合の前年度9月30日時点における前被保険者の平均標準報酬月額

実際に計算してみよう!

【Bさん】
(1)10月入社で10~12月の標準報酬月額が18万円、1月から休業開始
(2)協会けんぽの前被保険者の前年度9月30日における標準報酬月額の平均額:30万円(2024年度時点)


この場合、1日あたりの支給金額を計算する際は、(2)の30万円より金額の低い(1)の18万円を休業前の給与と考えて計算します。

上記の計算式にあてはめると、
18万円÷30日×2/3=4,000円
となります。

傷病手当金の申請の流れ・手続き方法

傷病手当金の申請者は従業員本人です。
実際には勤務先の担当者が手続きの案内や申請のフォローをしてくれることが多いですが、やるべきことは自分で把握しておきましょう!

必要書類

傷病手当金の申請に必要なのは「傷病手当金支給申請書」です。

申請書は、各健康保険組合などによって異なるため、自分が加入している健康保険組合から入手します。

また、状況に応じて添付書類が必要な場合があります。

詳細については加入している健康保険組合に確認しましょう。
参考:健康保険傷病手当金支給申請書|協会けんぽ

申請の流れ

傷病手当金の申請書に記載するのは、申請者勤務先医師の3者です。

本人が直接申請する場合、申請の流れは以下のとおりです。

(1)協会けんぽまたは勤務先から申請書を入手する
(2)担当医師に休業の原因となった病気やケガの症状や経過、就労の可否などを証明してもらう
(3)勤務先に勤務状況や給与の支給状況を証明してもらう
(4)協会けんぽ(「資格情報のお知らせ」等に記載の支部)に提出する

勤務先の証明の際、その他の記入欄がすべて揃っていれば、勤務先から健康保険組合などに申請書を提出してもらってもいいでしょう。

▼協会けんぽ 北海道支部 の場合
提出先:〒001-8511 札幌市北区北10条西3丁目23-1 THE PEAK SAPPORO 3階

💡休業期間が数ヶ月以上になる場合はどうする?
休業期間が数ヶ月以上になる場合、給与の締切日ごとに1ヶ月単位で申請し、1ヶ月ごとに上記手順で申請を繰り返すのが一般的です。

まとめ

傷病手当金は、勤務先の健康保険に加入していれば誰でも申請できます!

「自分は支給条件にあてはまっているかよくわからない…」
「申請方法がわからない」
「休業中給与の支払いがなくて困るけどめんどくさいからいいや…」
などと思って申請しないのは、はっきり言って損しかないです!

みなさん決して安くはない社会保険料を毎月納めています。

病気やケガなどにより4日以上お休みすることがあれば、積極的に健康保険給付を利用しましょう!

まずは勤務先や健康保険組合に相談してみることをおすすめします。

アシタバでは就業中の方へ積極的に傷病手当金申請などのお手伝いをさせていただいております!

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