WEB面接 VS 来社面接
求職活動の最後の関門というべき面接。
書類選考の結果、履歴書や職務経歴書に記載されているものと採用企業が求めるものが全部あるいは一部が一致していたことで面接に呼ばれたということです。
面接はその意味を理解して準備を整えることが重要です。
面接は「採用企業が応募者を見定める」ためだけのものではなく、応募者本人も企業を見定める場です。
応募者と採用企業の立場は対等であるということを念頭に入れておきましょう。
採用者側の面接の目的
採用企業は次の3点について応募者を見定めようとしています。
- 資質:履歴書・職務経歴書の記載通りのスキルがあるか、期待通りの貢献と待遇のバランスが取れるか
- 意欲:動機がしっかりしているか、熱意があるか、自発的に仕事に取り組める人物か
- 適応性:コミュニケーションに問題はないか、組織にとけこめるか
応募者側の目的
応募者は次のこと確認しましょう
- この仕事や職場は自分に適しているのか
- 自分の能力でこの職を選択することに誤りはないか
面接の流れ
面接は基本的に「導入」~「質疑応答」~「締めくくり」という流れとなっておりそれぞれが異なる重要性をもっています。
導入
面接というと、面接官と向かい合っている場面を思い浮かべますが、実はそれ以前から評価は始まっています。
会社の受付や窓口に名前と要件を伝えるとき、面接官と初めて対面するときに人柄が表れます。
採用は最初の5分で決まるといわれることもありますが、それは単に身なりや服装といった外見の印象の大切さだけではなく、ビジネスマナー、態度、表情、話し方等のコミュニケーション能力を測る要素が表れるのです。
第一印象の影響はずっと後まで残りますから、一度与えた印象を修正するのは難しさを伴います。
笑顔、視線、椅子の座り方、手の置き場等の全体の振る舞いや雰囲気から人柄、自信、信頼度等が伝わります。
暖かい笑みと相手の目を見て話すようにし、自信のある第一印象を与えましょう。
質疑応答
主に履歴書・職務経歴書に記載してことが確認され、応募者は仕事への意欲や経験、知識、スキルを述べ、必要とされる職務への適正をアピールします。
つまり、これまで自己分析や職務の整理で明らかにしてきた「やってきたこと、やれること、やりたいこと」を表明する場面です。
経験や実績については、できるだけ具体的な事例や数字を挙げて、客観的に自分の能力を説明していきましょう。
締めくくり
面接が終わりに近づくと、「何かご質問はありますか」という質問があります。
面接官は質問の姿勢や内容によって積極性、仕事への熱意を測っていますので、意欲や志望の強さが伝わる質問は必ず準備しておきましょう。
面接の準備
履歴の確認
職務経歴書を何度も読み返して、学歴や職歴などメモなしで話せるようにしましょう。
経験した職務の主な任務や責任を把握しておき、その達成度を具体的に話せるように準備しましょう。
また、スキルの説明には実例を、数値化できる経験には具体的な数字を挙げましょう。
特に、志望している職務に関連したスキルや経験を話すことは非常に効果的です。
会社と業界に関する知識
志望先の業界、製品サービス、業務内容を知ることで自分のスキルや経験の必要性に説得力が増し、経験や知識の豊富さを印象付けることができます。
志望先企業のホームページは必ずチェックし理解しておきましょう。
面接場所の確認
面接での遅刻は致命的です。
面接の場所、その場所までの時間と経路は正確に把握しておきましょう。
事前に下見をすることをおすすめします。
面接会場には5~10分前に到着するのが理想です。
早く着きすぎてもギリギリでも印象を悪くします。
服装や身だしなみ
服装や身だしなみが適切でなかったために面接で失敗する例が多くあります。
面接における外見は重要なのです。
服装はその業界にふさわしいかです。
業界それぞれ傾向がありますのでわからないときはその会社へ赴き社員がどのような服装をしているかを観察しその雰囲気に近づけるようにしましょう。
身だしなみとしては、アクセサリーや化粧は派手にならないようにし、髪や髭は見苦しくないか、シャツやスーツにしわがないかをチェックしておきましょう。
質問の準備
面接でどのような質問がでるかを想定してそれに対する答えを準備しておくことは大変重要です。
ただし、ネットや本に載っている模範解答はベテラン面接官には先刻承知ですからかえって自分の意志の無い人物と受け取られてしまいます。
質問に対する答えは、自分の体験や知識を踏まえた自分の言葉で答えるようにしましょう。
採用者の評定ポイント
面接官は応募者の話の内容や答え方、態度、表情から、一般的に次のような点について評価を行います。
①資質(何がどの程度できるか)
・一般知識:学歴や経験に応じた知識はあるか
・実務能力:履歴書/職務経歴書どおりの知識とスキルがあるか
・理解力:質問の要点を把握し、明確な応答ができるか
・判断力:質問の意味を早く理解できるか、自分の能力を適切に評価しているか
②意欲(何がしたいのか、続けられるか)
・積極性:自分で企画し実行した実績があるか、意見や考えを進んで述べられるか
・表現力:転職理由をわかりやすく表現できるか、理由に一貫性があるか
・自主性:仕事への熱意はあるか、自発的に仕事に取り組めるか
・誠実性:まじめで責任感があるか
③適応性(周囲の人とうまくやっていけるか)
・外的態度:応対や動作が落ち着いているか、服装は清潔か
・折衝力:積極的に人と話すことができるか、相手の立場や気持ちが理解できるか
・協調性:独断的な考え方をしていないか、他責思考が強くないか、新たな組織でうまくやれそうか
面接質問例
面接では様々な質問がありますが、よくある質問をまとめました。
①応募者の概要を把握する質問
1.経歴を含めた自己紹介をお願いします
2.簡単に自己PRをお願いします
②応募者の性格・価値観・能力を把握する質問
1.あなたの長所・短所を話してください
2.今まででいちばん感動したことはなんですか
3.あなたの10年後のビジョンとそのために何をすべきか話してください。
4.あなたの趣味はなんですか
5.会社以外で何か活動されていることはありますか
6.休日は何をして過ごしますか
7.どのようなときストレスを感じますか
8.あなたは友人からどのような人だといわれていますか
9.仕事をしていて楽しいと思う瞬間はどのような時ですか
③応募動機、業務の理解度を把握する質問
1.応募の動機を話してください
2.当社を知ったきっかけとイメージをお聞かせください
3.この業界の将来性や課題をどう思いますか
4.当社でどのような仕事をしたですか
5.その仕事をするうえでの、あなたの強みをはなんですか
6.経験のない分野をどのようにカバーしていこうと考えていますか
7.転職の際に重視するポイントは何ですか
8.当社に応募するにあたって誰かに相談されましたか
9.当社に王日するにあたって不安(疑問)に思っていることは何ですか
④前(現)職の経験を把握する質問
1.前(現)職での業務内容を簡潔に話してください
2.その中であなたの役割、立場を話してください
3.過去の仕事の成功談と失敗談を話してください
4.あなたが仕事をするうえで気をつけていることは何ですか
5.過去に直面した困難な状況をどのように解決しましたか
6.過去に全く経験のない分野を担当することになったときどのような行動をとりましたか
7.顧客との信頼関係を確保するためにどのような工夫をしていましたか
8.どの程度の業績をあげましたか
9.業績を伸ばすために何が課題だと思っていましたか
⑤転職の動機を把握する質問
1.当社に応募した動機を話してください
2.退職の理由を話してください
3.なぜ引き止められなかったのですか
4.嫌気をさした原因を解決しようと何か努力しましたか
5.前(現)職で学んだことは何ですか
⑥給与・待遇に関する質問
1.前(現)職ではどれくらいの給与を支給されていました(す)か
2.給与はどれくらいを希望しますか
3.残業は可能ですか
4.転勤(出張)についてどうお考えですか
⑦その他の質問
1.勤務はいつから可能ですか
2.入社まで何をして過ごしますか
3.当社以外に受験しているところはありますか
4.何か質問はありますか
応募者からの質問
面接では必ず「何かご質問は?」と聞かれます。
この質問には面接官の評価の目が光っていますので、この業界と会社に対する強い関心と就業の意欲をもっていることをアピールする質問を複数準備しておきましょう。
例
・御社発展のカギをどのようにお考えですか
・中途採用者の採用を積極的におこなっていらっしゃるようですが、中途採用者に期待することは何ですか
・仕事するにあたってあらかじめ勉強しておくことはありますか
・現在、推進または計画している事業計画について差し支えない範囲で教えてください
まとめ
面接は最後の関門ともいうべき重要なものだからこそ、しっかりと準備をして臨みましょう。
ただし、マニュアル通りや嘘・誤魔化しは百戦錬磨の面接官にはお見通しですので、自分の言葉で正直に話をしてください。
流暢に話せればよいわけではありません。
たどたどしくとも誠実に熱意を伝えることが重要です。
応募者の転職の目的は「自分に適した会社で活き活きと働くこと」なのを忘れずに。
仕事の探し方 【完】