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弊社では毎年2月に次年度の労働者代表の選出を行うため、立候補者の募集と信任不信任投票を行っております。
しかしながら、「これって自分に関係あるのですか?」との疑問を持たれる方がほとんどです。
今回は「労働者代表」についてわかりやすく簡潔に解説していきます。

労働者代表って何するの?

簡単にういうと、「就業規則」「労使協定」の確認と署名捺印を担います。
任期は法令による定めは有りませんが、年単位で締結する労使協定が多いことから、「1年」としているケースが多いです。

労使協定って何?

法律に基づいて、企業と労働者代表者との間で労働条件に関する取り決めを行うことです。
これは企業による不当な労働搾取などから労働者を守るため、労働者と企業が書面で取り交わすよう労働基準法に定められています。
労働基準法が定める労使協定は以下の通りです。

【労働基準法が定める労使協定14種類】

  • 従業員の貯蓄金をその委託を受けて管理する場合の労使協定(法18条)
  • 賃金控除に関する労使協定(法24条)
  • 1ヵ月単位の変形労働時間制に関する労使協定(32条の2)
  • フレックスタイム制に関する労使協定(法32の3)
  • 1年単位の変形労働時間制に関する労使協定(法32条の4)
  • 1週間単位の非定型的変形労働時間制に関する労使協定(法32条の5)
  • 休憩の一斉付与の例外に関する労使協定(法34条)
  • 時間外労働及び休日労働に関する労使協定(法36条)
  • 割増賃金の支払いに替わる代替休暇の付与に関する労使協定(法37条)
  • 事業場外労働のみなし労働時間制に関する労使協定(法38の2)
  • 専門業務型裁量労働制に関する労使協定(法38の3)
  • 年次有給休暇の賃金を標準報酬日額で支払う場合の労使協定(法39条)
  • 年次有給休暇の計画的付与に関する労使協定(法39条)
  • 年次有給休暇の時間単位付与に関する労使協定(法39条)

代表的な労使協定として「36(サブロク)協定」と呼ばれる時間外労働及び休日労働に関する労使協定(法36条)があります。

労働基準法における法定労働時間1日8時間、週40時間を超えて時間外労働や休日労働をさせる場合は、あらかじめ36協定の締結が必要なのです。

逆にいうと36協定を締結していない事業者は残業・休日出勤をさせることができないのです。協定する項目は、1日、1か月、1年のそれぞれの期間における労働時間を延長できる時間、休日労働の上限日数です。

延長できる労働時間の上限は、原則月45時間、年360時間です。
ただし、臨時的な特別の事情があって労使が合意し特別条項付きの36協定を締結すると、特別条項として法律による上限までは残業をさせることができるというものです。

厚生労働省 時間外・休日労働に関する協定届

000833419.pdf (mhlw.go.jp)

【労働者派遣法の労使協定】

働き方改革関連法による2020年4月1日施行の改正労働者派遣法により、派遣元事業主は同種の業務に従事する一般労働者の賃金水準の決定方法として、下記のいづれかの待遇決定方式により派遣労働者の待遇(賃金や福利厚生等)を確保することとされています。

1.「派遣先均等・均衡方式」(派遣先の通常の労働者との均等・均衡により派遣社員の待遇を決定)
2.「労使協定方式」(派遣会社が一定の要件を満たす労使協定を締結し派遣社員の待遇を決定)

弊社においては「労使協定方式」により派遣労働者の待遇を決定しております。
余談ですがおよそ9割の派遣元事業主が「労使協定方式」を選択しているようです。
この協定のことを「労働者派遣法第30条の4第1項の規定に基づく労使協定」と呼んでいます。

法令において当該労使協定に定めなければならいない事項は下記の通りです。

労働者派遣法第30条の4第1項の規定に基づく労使協定

  • 労使協定の対象となる派遣労働者の範囲
  • 賃金の決定方法
  • 賃金の決定にあたっての人事考課
  • 賃金以外の待遇
  • 教育訓練
  • その他、労使協定の有効期限等

この中で特に働く方が気になる賃金の決定方法ですが、法令では「派遣先の事業所その他派遣就業の場所の所在地を含む地域において派遣労働者が従事する業務と同種の業務に従事する一般の労働者であって、当該派遣労働者と同程度の能力及び経験を有する者の平均的な賃金の額(一般賃金)の額と同等以上」と定められており、職種別の一般賃金は「賃金構造基本統計調査」又は「職業安定業務統計」に基づき確認し算出することとされています。

この統計は1年毎に局長通達という形で公表され、派遣元事業主はその統計額を下回らないように都度協定を見直し、必要に応じ協定を改訂する必要があるのです。ですから弊社では協定の有効期限を1年と定めています。

労働者代表の選出の条件

では、労働者代表はどのように選出しなければならないのでしょうか。
労働基準法では、労働者の過半数を代表する者は次のいずれにも該当する者でなければならないと定めています。

  • 監督、管理の地位にあるものではないこと 
    ※監督管理者とは労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者(いわゆる部長や工場長)
  • 労使協定の締結等を行う者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の方法による手により選出された者であること

企業側が一方的に指名した従業員は労働者代表として認められず、投票などの「民主的な手続き」を踏んで選出する必要があります。

正社員、契約社員、パート等すべての社員が選出に参加し、社員の半数以上が推す候補者を選んでいるかが重要とされています。

まとめ

労働者として従事するにあたり「労働基準法による労使協定」や「派遣法による労使協定」と法令に定められている労使協定があり、過半数の労働者代表が労働者の総意を鑑みそれぞれの労使協定を確認捺印する必要があります。

なお、過半数の労働者代表選出にはすべての労働者が選出にかかわることが重要なのです。

弊社の従業者は専用のイントラネットにて就業規則、労使協定がいつでも確認できるようになっていますので、就業規則・労使協定を見たことない方はぜひ確認してみてください。

今後、あなたに労働者代表の選出に関する通知があった場合にはぜひこのブログの内容を思い出してくださいね。

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